小学校の授業が変わる?タブレット教材とは
2020年度は小学校の授業で英語やプログラミングなどといった教育改革が始まり、政府は小中学校の全生徒にタブレット端末が行き渡るように環境を整備し、タブレットで授業を受けることを推奨しています。
また、2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、自宅でタブレット学習を取り入れた小学校も増えてきました。
ICT/タブレット学習とは?
ICT/タブレット学習は、多くのメディアなどでも紹介されているのを目にしたり聞いたり、すでにお子さんが通学している小学校でも説明をされていたり、すでに導入されている小学校もあるのではないでしょうか。
ICTとは「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略で、ネットワークにつながって手軽に情報や知識の共有が行える環境のことをいいます。
ICT/タブレット学習は、これまでの授業では黒板を見ながら先生の話を聞くという形でしたが、これからは黒板がパソコンやタブレットに置き換わり、タブレット教材を使って先生や生徒のコミュニケーションをとりながらの授業へと変わっていきます。
タブレット教材を使用することによって、生徒同士で意見や考え方を共有したり、1つのテーマに対して主体的に取り組んだりなど、自分から進んで授業に参加をしやすくなります。
タブレット学習のメリットデメリットとは?
タブレット学習のメリット
生徒と先生とのやり取りをタブレット上でできるので、手を挙げてクラスメイトの前で発表することが苦手なお子さんも、落ち着いて自分の意見や回答をすることができます。
- 一人ひとりが課題に取り組みやすい
同じ問題を繰り返して解いたり反復学習ができたり、自動採点が可能なので、お子さん一人でも勉強を進めることができます。
- 学習に対する興味・関心を高めることができる
アニメーションや音楽など、いろいろな演出を学習内容に組み合わせて学習意欲を高めることができます。
- 思考や理解を深めることができる
動画や音声を使った学習が簡単にできるので、英語の発音や口の動かし方、算数の図形問題で3DCGを360°どこからでも図形を確認したりなど、低学年のお子さんでも視覚的に見て興味や関心を高めることができます。
タブレット学習のデメリット
タブレット学習は、端末が動かなくなってしまった場合の対処方法をあらかじめ確認しておくなど、事前準備をしておくことが大切です。
- タブレットが動かない
「正常に起動できない」「充電ができない」「音が出ない」などの初期不良や、タブレット端末のハードウェア、無線LAN環境は利用規模や台数が増えるほどトラブルの可能性が大きくなるなど、タブレットが使用できなくなることがあります。
- 目の疲れや睡眠の質の低下
タブレットの画面は強い光を出すため、長時間見ていると目に負担がかかり、目の疲れやドライアイを感じやすくなります。また、就寝前にもタブレットを使用していると睡眠の質が低下して不眠の原因になることもあります。
- 覚えることが非効率になることがある
人間の脳は覚えるときに、目や耳からの情報だけでなく手で書くことによる刺激によって効率よく覚えることができると言われています。タブレット専用のタッチペンを使用して書く勉強も取り入れてみましょう。
小学校3年生から「必修化」5年生から「教科化」する英語の授業とは?
現在、すでに幼稚園・保育園のときから英語の授業が組み込まれているところもありますが、これまでの小学校の授業では、小学校5・6年になると外国語活動として、「英語に親しむ」「英語を楽しむ」ために聞いたり話したりする授業が行われていました。
2020年度に新しく施行された「学習指導要領」は、すでに2018年から一部実施されており、2020年度から小学校でも正式教科になる「英語」は、小学校3年生から「必修化」となり、5年生から「教科化」になりました。
小学校から英語が教科となる理由の1つには、センター試験に代わる大学入学共通テストの英語への民間検定試験導入が決まっていたためですが、さまざまな問題点が見つかり2020年の導入は見送られました。
しかし、今回は見送られたものの将来的には導入される予定であることは変わらないため、英語では「読む」「聞く」「書く」「話す」をバランスよく習得していくことはこの先必要です。そのため、小学生の授業でも積極的に英語が取り入れられることは変わらないので、それに合わせて中学校や高校での英語も変わってきます。
地域やその学校によって取り組み方は違っていますが、小学生のうちから英語に慣れておくためにも、これからどんどん小学校での英語の教育が進められていくようです。
「使える英語」を身につけるための小学校の英語の授業とは?
英語に対する照れが少ない小学校3・4年生から英語に触れて、「英語に親しむ」「英語を楽しむ」ことでく積極的に英語を使えるようになって、英語が楽しいと感じられることができるようになるのはいいのですが、保護者としては実際に「英語」の教科として成績がつけられるようになると聞くと不安に感じてしまいますね。
実際に小学校で行われる「学習指導要領」による英語はどのような授業なのでしょうか。
小学校3・4年生「外国語活動」
2技能「聞く・読む」
- 英語の音声やリズムなどに慣れる
- 英語の言葉としての表現のおもしろさに気づく
- 英語の短い話を聞いて内容を理解できるようにする
年間35時間
小学校5・6年生「教科英語」
4技能「聞く・読む・話す・書く」
- 英語の大文字、小文字の読み書きができるようにする
- 語順の違いに気づけるようにする
- 簡単な語句や表現を使って自分の考えを書けるようにする
年間70時間
(小学校5、6年生で学ぶ単語は600〜700語)
2020年から始まった学習指導要領を、2018年から既に一部取り入れて行っている学校がある一方で、小学校3・4年生からではなく低学年の小学校1・2年生から英語に触れる教育活動を行っている学校もあります。
小さい頃から少しずつ触れる機会を増やして、使える英語が身に付くように忘れないようにしていくことが必要なようです。
タブレットをうまく使って家庭でも英語学習ができる
小学校での英語の授業が楽しくなってくると、お子さんは家庭でも英語を使うことが増えてきます。そんなときには、家庭でもテレビから聞こえた英語で聞き取れた単語があったり、言えたりした場合にはたくさんほめて「英語は楽しい」ということを教えてあげて下さい。
英語が苦手という保護者の方は、最近はたくさんの英語の動画やDVDなど、自宅で学習できる教材などもたくさんあるので、タブレットを使った家庭学習をすることができます。
身近なお話しのイラストを見ながら英語の話を聞いたり、どんな場面でどんな表現をしているかなど、聞いたとおりにまねをしたり違うことに置き換えて話してみたりしてみましょう。
今までのような単語の暗記、文法の理解などだけではなく、中学生になるまでの間に親子で「英語を使うことは楽しい」という経験を一緒にして慣れていくことで、楽しみながら英語のコミュニケーション能力をアップさせていくことができるのではないでしょうか。
まとめ
タブレットは、私立小学校などではすでに1人1台で導入されているところもあるのですが、公立小学校では予算の関係もあり、1人1台でタブレットを利用することができないというのが実情です。そのため、タブレットをレンタルにして、保護者の方にもレンタル代を一部負担してもらうという形を取る小学校もあるようです。
ICT/タブレット学習は、お子さんの新しい世代のツールとして今後さまざまな形で利用されていきます。タブレット教材ならではのメリット・デメリットがありますが、うまく活用することでお子さんに興味や関心を持たせて、楽しく効率的に勉強をすることができるといいですね。