ランドセルの背カンはどんな役割があるの?

お子さんの小学校入学へ向けての準備としてランドセル選びをされているご家庭では、小さな体のお子さんに少しでも負担がかからないようなランドセルを選んであげたいと、たくさんのランドセルを比較しているのではないでしょうか。

 

6年間もの長い期間の登下校でお子さんの体に負担がかかなないような、軽くて背負いごこちがいい性能のランドセルを選ぶことができるように、重要なパーツである「背カン」について、ここでは紹介したいと思います。

 

 

ランドセルを選ぶためにカタログを取り寄せたり、ネットで調べていると「背カン」という言葉が出てきますよね?普段ランドセルを使っていたとしても、「この背カンがいいんだよね〜」なんて会話はほとんどありません。

 

しかし、ランドセル本体と肩ベルトをつなぐこの背カンの機能によって、背負ったときの軽さや背負いごこちなどが良くも悪くもなってしまい、6年間の通学に大きく影響してくるパーツなのです。

 

ランドセルを選ぶときには、いつくかの押さえておきたいポイントがいくつかあるのですが、背カンも重要なポイントとして考えてみて下さいね。

 

背カンの種類と特徴とは?

背カンのタイプは3種類あり、どの種類の背カンもランドセル本体とお子さんの背中の隙間をなくしてフィットさせ、背負う荷物の重さを軽減してお子さんの体への負担を減らす背負いやすくなる工夫がされています。

 

ひと昔前のランドセルの背カンといえば、ほとんどが「固定型背カン」でしたが、最近では「非連動型背カン」や「連動型背カン」の背カンが多く使用されています。

 

子どもの成長とともに体が大きくなるとベルトの穴で調整をしてもランドセルが背負いにくくなるのですが、背カンが左右に動くことによって肩ベルトが広がりランドセルの着脱が楽になります。

 

非連動型背カン(左右別々の幅に動く)

肩ベルトが左右別々に開く動きをするため、高学年になって体格が大きくなってもその子の体格に合わせて背カンが開くので着脱しやすく、元気に動きまわってもその動きに合わせて左右別々に動いてベルトがフィットしやすくなります。

 

フィットちゃんタイプ

 

ランドセルメーカーのハシモトグループが、数々のアイデアや技術を盛り込んだ独自のブランドとして「フィットちゃん」シリーズのランドセルが作られ、非連動型のアップ式背カンの1つである「フィットちゃん背カン」が独自に開発されました。

 

フィットちゃん背カンによって肩ベルトが左右に動くことで、体が大きくなってもランドセルの着脱がしやすく、自然な動作で走ったりすることができます。

 

ランドセルの両肩のベルトの付け根を25°立ち上がるようにスプリングで固定したことで、背中とランドセルの接触面積が今までよりも10%アップしたため、肩への負担が減り自然な姿勢を保つことができ、ランドセルが体にフィットするため、背負いやすく体感重量も軽く感じることができます。

 

また、両肩ベルトの付けの部分は天使のはねと同じで、金属並みの強度がある、エンジニアリング・プラスティックと呼ばれる強化プラスティックで出来ています。

 

ウィング背カンタイプ

 

「ウィング背カン」は、フィットちゃんと同じ非連動型のアップ式背カンの1つで、両肩ベルトの付け根の部分は強化プラスチック内部の素材が金具になっていることで肩ベルトが上向きに立ち上がります。

 


肩ベルトの内部に入っている樹脂や形状記憶ナイロンなどの素材によってベルトが持ち上がり、使えば使うほどに子どもの体型に合うようになっていき、フィット感がアップする工夫されており、背中とランドセルとの隙間がなくなることで子どもへの負担が軽くなります。

 

連動型背カン(左右同じ幅に動く)

一方の肩ベルトが開くと同時にもう一つの肩ベルトも開くことで、常に連動して動いてランドセルの重心が中心で維持されるようになっている機能で、ランドセルがずり落ちてしまうということがありません。

 

天使のはねタイプ

 

天使のはねは、セイバンが開発した白い羽のような形をした、固すぎず、柔らかすぎない透明な樹脂素材が、ランドセルの両肩のベルトの付け根に内蔵されています。

この天使のはねが内臓されたことで肩ベルトが立ち上がり、ランドセルの重心が上がるため、背中とランドセルの隙間がなくなり体にフィットすることで体感重量が軽く感じます。

 

「天使のはね」と「左右連動型背カン」の機能によって、常に体の中心にランドセルがくることで安定するので、背負いやすく軽く感じられるようになり、子どもの肩の負荷を減らして姿勢を正しく保つことができます。

 

また、両肩ベルトの付け根の部分は金属並みの強度がある、エンジニアリング・プラスティックと呼ばれる強化プラスティックで出来ており、耐久性に優れているため通常の使用では壊れにくい素材です。

 

固定型背カン(動かない)

ランドセル本体と肩ベルトを装着する部分が固定されており、肩ベルトも動かないためランドセルの着脱がしにくく、ランドセル本体と肩に隙間ができ肩ベルトに直接負担がかかるため、ランドセルの重さによって重量が後ろにかかり腰に負担がかかってしまうため、その重さを前に持っていこうとするので猫背になりがちです。

 

立ち上がり(アップ式)背カン

 

脱ゆとり教育によって教科書の厚さやノートなど、ランドセルに入れていく荷物が増えたからこそ、背負ったときに子どもに負担がかかりにくいランドセルを…と大手ランドセルメーカーの企業努力によって開発されたのが「体感重量を軽くする背カン」です。

 

「立ち上がり(アップ式)背カン」とは、肩ベルトを持ち上げる工夫がされることで背中とランドセルとの隙間がなくなり、ランドセルの体感重量が軽く感じることができる機能を持った背カンの総称のことをいいます。

 

セイバンの天使のはねという樹脂の機能で立ち上げているものと、背カンのプラスチック部分にとおっているパイプを楕円形にすることで、肩ベルトがつながっている金属製の三角カンがこのパイプの中で自由に動かないように制限されることで肩ベルトが立ち上がるものがあり、教材が増えてきている小学生にはぜひほしい機能です。

 

「天使のはね」と「フィットちゃん背カン」の特許とは?

3つの背カンのタイプの紹介をしましたが、どのタイプも登録商標を持っています。

 

そのなかでも、必ずと言ってもいいほど比較することになる人気のランドセル「天使のはね」や「フィットちゃん」は、公式のブランドとしての販売だけはなく、別のメーカーから「天使のはね」や「フィットちゃん」という名前でランドセルが販売されています。

 

販売されているものだけを見ると、別のメーカーの名前でセイバンの「天使のはね」やハシモトの「フィットちゃん」が販売されているだけの話ではないの?と思ってしまいますよね。

 

しかし、「天使のはね」はセイバンの登録商標、「フィットちゃん」はハシモトの登録商標なので、この場合は別のランドセルメーカーが、セイバンから「天使のはね」の特許利用料、ハシモトから「フィットちゃん背カン」の特許利用料を支払ってパーツを購入しています

 

そして、各ランドセルメーカーが「天使のはね」や「フィットちゃん背カン」を使用してランドセルを製造することで、別のメーカーが作った「天使のはね」や「フィットちゃん」として販売されることになるのです。

 

「天使のはね」=セイバンの特許

「肩ベルトを立たせて、体感重量を軽くする」という発想から、肩ベルトの付け根の部分を弓状に曲がるようにするために作られた樹脂素材が「天使のはね」と言われており、セイバンが特許を持っています。

 

「フィットちゃん背カン」=ハシモトの特許

体が大きくなってもランドセルの着脱がしやすく、走ってもその動きに合わせて左右別々に動いてベルトがフィットしやすい非連動型の背カンが「フィットちゃん背カン」と言われており、ハシモトが特許を持っています。

 

※画像は公式ページより引用

 

連動型と非連動型、背負いごこちはどちらもほとんど差はない?

現在では、多くのブランドで左右連動型と非連動型の2つの背カンが多く使用されており、どちらも背負いごこちの違いはほとんどないといえますが、背カンと肩ベルトは各ブランドによって背負いやすくなるように工夫されているので、それぞれのブランド独自の背負いごごちになります。

 

なかには、格安のランドセルで背カンを2流のメーカーのものを使っていることで、使用しているうちに簡単に壊れてしまうということもあるため、国産の一流メーカーが開発した品質のよいきちんと修理の保証がある背カンが使用されているランドセルを購入しましょう。

 

基本的にブランドランドセルに使用されている背カンは、何度も繰り返しで耐久性がテストされているものが使用されているため、壊れるということはほとんどありません。

 

肩ベルトの付け根には大きな力がかかるので、日本製の背カンであれば丈夫に作られているので壊れることはそうそうありませんが、海外で作られた背カンだと壊れる可能性もあるので気をつけなければいけません。

 

見た目だけでは同じように見えてしまうランドセルでも、実際に背負ってみると1人1人のお子さんの体型などによって背負いごごちや快適さは違います。

 

試着せず見た目だけで選んで、やっぱり背負いごこちがよくないと後悔しながらの6年間にならないように、ランドセルは販売店などで試着してお子さんが背負いやすいぴったりの、お気に入りのランドセルを選んであげてください。